台湾有事と国際結婚家庭のリスク

日本と台湾比較・生活系

― 日本人×台湾人家族が冷静に考えるべき現実 ―

はじめに|起きてほしくないからこそ、考えておく

台湾有事について語ると、
どうしても感情的な議論になりがちです。

しかし、国際結婚家庭、特に
日本人と台湾人の夫婦で子どもがいる家庭 にとっては、
政治的な立場とは別に、
「起きた場合に家族がどう扱われるか」を
一度は現実的に整理しておく必要があります。

これは思想の話ではなく、
制度とリスク管理の話です。


有事で最初に現実になるのは「国籍」

有事が発生した場合、
真っ先に区別されるのは 国籍 です。

  • 日本国籍か
  • 台湾籍か
  • 二重国籍か

これは感情や家族関係とは無関係に、
制度として機械的に扱われます。

どの国が誰を保護対象とするか、
どこまで退避支援が及ぶかは、
国籍によって決まります。


国際結婚家庭が直面しやすい現実的リスク

家族が制度上「分断」される可能性

たとえば、

  • 夫:日本国籍
  • 妻:台湾籍
  • 子ども:国籍が混在

という家庭では、有事の際に

  • 日本は日本国籍者を優先
  • 台湾は台湾籍者を優先

という形で、
家族が制度上、別枠で扱われる可能性 があります。

家族の意思とは関係なく、
制度が先に動くという点は、
国際結婚家庭が直面しやすい現実です。


子どもの国籍は、将来リスクに直結する

子どもが台湾籍を持つ場合、
将来的に 兵役制度 が関係してきます。

平時には実感しにくいですが、
有事が現実味を帯びるほど、
この制度は無視できないものになります。

そのため、

  • 男児は日本国籍のみとする
  • 台湾籍を持たせない

という判断をする家庭があるのも事実です。

これは価値観の問題というより、
将来リスクをどう管理するか という判断です。


永住権と帰化|合理性だけでは決められない理由

国際結婚家庭では、

  • 永住権で十分
  • 帰化はハードルが高い

と考える人も多いと思います。

我が家でも、
過去に一度、妻の 日本への帰化
選択肢として話し合ったことがあります。


帰化を見送った理由は「制度」ではなかった

制度面だけを見れば、
有事対応という観点では
帰化のほうが合理的に見える部分もあります。

しかし実際には、

  • 台湾の親族からの反対に近い反応
  • 本人の中にある台湾への帰属意識
  • 国籍を変えることへの心理的な重さ

といった要素があり、
最終的に帰化は見送ることになりました。

これは誰が悪いという話ではなく、
国籍は単なる手続きではなく、アイデンティティそのもの
だという現実を、改めて実感した出来事でした。


永住権という選択が持つ現実的意味

結果として、
我が家では 永住権 を前提に考えています。

永住権は、

  • 日本で安定して暮らせる
  • 日常生活ではほぼ日本人と同じ

一方で、

  • 有事の際の保護は限定的
  • 国籍による線引きは残る

という側面もあります。

それでも、
家族として納得できる選択肢を
無理なく維持するという意味では、
現実的な落とし所だと感じています。


「日本に住んでいる=無関係」ではない

台湾有事について、

日本に住んでいれば関係ない

と考える人もいます。

しかし実際には、

  • 台湾に親族がいる
  • 台湾籍の家族がいる
  • 台湾へ往来する可能性がある

以上、
完全に無関係とは言えません。

一時帰国中や介護のための滞在など、
「たまたま台湾にいるタイミング」で
状況が変わる可能性もあります。


国際結婚家庭が最低限整理しておきたいこと

不安を煽るためではなく、
考えておくことで不安を減らすため に、

  • 家族それぞれの国籍
  • 有事時の行動方針
  • 子どもに関わる制度(国籍・兵役)

これらは、一度は整理しておくべきだと思います。

「何も決めない」という選択が、
最もリスクになることもあります。


おわりに|合理性と感情は対立しない

台湾有事を考えることは、
台湾を否定することでも、
日本を過剰に持ち上げることでもありません。

国籍、帰化、永住権。
どれを選ぶにしても、

  • 制度としての合理性
  • 本人のアイデンティティ
  • 家族としての納得感

この3つを同時に考える必要があります。

国際結婚家庭にとって、
冷静に考えることは冷たいことではない

それは、
家族を守るための、ごく自然な行為だと思います。

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