―― 台湾出身の妻と暮らす中で聞いた「外からの視点」――
はじめに|内側にいると見えにくいこと
日本で生まれ育つと、日本社会の仕組みや空気は
「そういうものだ」と受け入れてしまいがちです。
ただ、台湾出身の妻と結婚し、日本で一緒に生活する中で、
日本社会について 「外から見たときの違和感」 を
折に触れて聞くことがありました。
ここで書くのは、
台湾人全体の意見ではありません。
あくまで、
台湾で育ち、日本で暮らすようになった妻の感覚や、
それを聞いた夫である私の視点を整理したものです。
服装や見た目に対する「許容度」の違い
妻が日本に来てしばらくした頃、
「日本は、思っていたより服装に気を使う社会だね」
と言っていたのが印象に残っています。
日本では、
- 年齢
- 性別
- 場所や立場
によって、
暗黙のうちに「無難な服装」が決まっているように感じる、と。
一方で、妻が台湾での日常を振り返ると、
もっと多様な人たちが自然に混ざっていたそうです。

実際、私自身も台湾の夜市を歩いたときに、
網タイツにバニーガール風の服装をしたLGBTの方を見かけましたが、
周囲は特に気に留める様子もなく、
その人は普通に人混みに溶け込んでいました。
また、ホテルで見かけた、
- 女性だけれど短髪で、暑い台湾にもかかわらずスーツ姿の男装の方
- その隣に、ゴスロリ衣装を着た彼女と思われる女性
といったカップルも、
誰からも特別視されていませんでした。
妻いわく、
「台湾では、そういう人がいること自体が特別じゃない」
という感覚だそうです。
「みんなと同じ」であることを重視する空気
日本で生活する中で、妻が戸惑っていたのは、
周囲と同じであることへの無言の圧力でした。
- 目立たないほうがいい
- 空気を乱さないほうがいい
- みんなと同じ選択が安全
こうした空気は、日本では自然ですが、
外から来た人には少し息苦しく感じることもあるようです。
妻自身は、
「悪いことではないけど、ずっとだと疲れるかも」
と表現していました。
サービスの丁寧さと、台湾的なフラットさ
日本のサービスについては、
妻も非常に高く評価しています。
- 丁寧な言葉遣い
- 細かな気配り
- 安定した品質
ただ一方で、
台湾での体験と比べると、
少し「人間味の方向性」が違うとも言っていました。
たとえば台湾では、
日本人だと分かるだけで、
- 屋台で少しおまけをしてくれる
- 量を多めにしてくれる
- 気軽に声をかけてくれる
といったことがよくあります。
妻の感覚では、
台湾のサービスは
「正確さ」よりも
人と人との関係性が前に出ることが多い、とのことでした。
謝罪に対する感覚の違いは、夫婦げんかで分かりやすい
これは、
妻と生活する中で私自身が強く感じた点です。
日本人である私は、
- まず謝る
- 場を収めるために謝る
ことに、あまり抵抗がありません。
一方で妻は、
- 謝ることは責任を全面的に認めること
- 納得していない状態では謝れない
という感覚が強いように見えます。
夫婦げんかになると、
- 「とりあえず謝って終わらせたい私」
- 「理由が整理できるまで謝れない妻」
という構図になることもあります。
妻からすると、
「なぜそんなに簡単に謝るの?」
私からすると、
「なぜ謝ることがそんなに重いの?」
このズレは、
国際結婚では意外と大きなポイントだと思います。
日本社会は「安心」だが「気を使う」
妻の話を総合すると、
日本社会は
- 安全
- 清潔
- 秩序がある
という点で、非常に暮らしやすい。
一方で、
- 常に周囲を意識する
- 無言のルールが多い
- 失敗に厳しく感じる
という側面もあるそうです。
本人は、
「今は慣れて、ちょうどいい距離感だと思っている」
と言っています。
国際結婚だからこそ得られる視点
日本社会の中だけで生活していると、
こうした違和感はなかなか見えてきません。
台湾出身の妻と話しながら生活することで、
私は日本社会を 一歩引いた視点 で見るようになりました。
それは、日本を否定するためではなく、
日本の特徴を理解するための視点だと感じています。
おわりに|「違和感」は価値観を広げてくれる
妻から聞いた日本社会への違和感は、
私自身にとっても考えるきっかけになりました。
国際結婚は、
文化の違いで衝突することもあります。
ただ同時に、
自分が当たり前だと思っていた価値観を見直す機会
にもなります。
この視点は、
国際結婚家庭ならではの
大きな財産だと思っています。

